※この記事は2019年7月22日に公開されたものの復刻版となります
テクノロジーの進化の目的は「人間の自由への開放」です。
生まれて親からもらったカラダや性格、そして性別。それらから開放するため世の中の医学は大きく進化しました。
総額で1,000万円ほどかけてしまえば、人間は男女の性別の垣根を超えて、自分好みの容姿に変貌できる時代。
多様性に対して寛容的になりつつある今の時代において、これらの医療はまさに技術のパイオニアと言ってよいでしょう。
そして、同時にデジタルの世界も「なりたいものになれる」時代が始まっています。
整形手術ほど大掛かりではない方法と、ライトな感覚で自分の中にあるもうひとりの自分をさらけ出せる場所、それこそが「VRChat」です。
VRChatの技術は「もうひとりの自分を開放できる自由」をワタシたちに与えてくれました。
この記事では、VRChatを使って「なりたいものになる」方法を説明していきます。
是非とも参考にして、VRChatの世界にダイブしてみてください!!
VRChatでなりたいものになろう!
VR空間で「なりたいものになる」ことに、現在もっとも適しているのが「VRChat(ブイアール・チャット)」です。
VRChatはアメリカの「VRChat Inc.」が開発、運営。バーチャル空間のなかで他人と交流ができる「ソーシャルVRアプリ」で、ゲームではありません。
VRChatってどういうもの?
VRChatはインターネットオンライン上にあるVR空間にて、世界中の人と「自分の好みのアバター」を使用して交流ができます。
アバターはデフォルトとして使用できるものが多数用意されていて、そこから選ぶこともできますが、自分で作成したり、有料、または無料でクリエイターのみなさんがネット上に公開しているものをダウンロードして使用することも可能ですよ。
自分のアバターは、自分のカラダの動きをアバターに反映させる「ボディトラッキング」で自由に動かすことができ、コミュニケーションの幅を大きく広げることができます。
この要素はVRChatに没入するための大切な要素ですね。
VRヘッドセットなしでもOK
と、ここまで書きましたが大事なこととして。
VRChatは、決して「VRヘッドセット」が絶対必須なわけではありません。
PCの2D画面を通して、自分好みのアバターを使ったコミュニケーションツールとしての使用方法も可能です。
もちろんそれにより、さまざまな機能制限は起こってしまいますが、現在VRヘッドセット等を持っていないユーザーでも、お試しとして始めることは可能です。
VRChatでなりたいものになるために必要なもの
それではココからVRChatをはじめるうえで必要な物を紹介していきますね。
けっこう色々ありますが、揃えてさえしまえばあとはいつでもVRChatの世界にダイブできます。
引っ越しで家具を買い揃えるようなウキウキな気分ではじめてみてください!
VRChatができるPCを手に入れましょう☆
VRChatはPCゲーム、PCアプリのダウンロードプラットフォームであります「Steam(スチーム)」からダウンロードできます。
Steamに接続するには「Microsoft Windows」「Mac OS」「Linux」いずれかのOSが使用可能なパソコンが必要となります。
残念ながらスマートフォンやタブレットへのダウンロードは出来ません。
また、SteamはMac OSに対応していますがVRChatには対応していないので、Mac OSでVRChatを利用する際は「Bootcamp(ブートキャンプ)」などでMac機種にWindows環境をインストールすることが必要です。
VRChatが快適にできるPCを紹介
PCについては、使用するVRヘッドセットである「HTC vive シリーズ」「Oculus Rift シリーズ」などが正常に動作するスペックのものが必要です。
これらのVRヘッドセットを使用するのに推奨されているPCスペックは以下のとおりです。
CPU | IntelCore i5 4590, AMD FX 8350 以上 |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 970, AMD Radeon R9 290 以上 |
RAM | 4GB 以上 |
これに対応するPCはカテゴリーとして「ゲーミングPC」と呼ばれる、価格帯として10〜15万円以上するものが必要ですが、2019年の現在なら必要スペックのものであれば少し価格が下がって8〜12万円で購入できます。
また、現在使っているPCがビジネスやファミリー用のロースペックのものだとしても、CPUが必要スペックに対応している場合があります。その際は、GPUを向上させるためのグラフィックスカードの増設や、メモリの増設で対応できる場合もありますので、ぜひとも自分のPCを確認してみてください。
ASUS ゲーミングデスクトップPC ROG Strix GA15 G15DK
価格:¥167,000-
VRChatが推奨する3つのVR機器を紹介
次に必要なものとして「VR機器」があります。
VRヘッドセットや、カラダの動きをトラッキングするセンサーなどです。
今回のブログ記事は「VRChatでなりたいものになる」のが目的なので、その目的を達成できるVR機器を紹介しましょう。
HTC VIVE Pro 2
HTC VIVE Pro 2
価格:180,000-
VRChatを利用するのに一番推奨されているのが「HTC Vive(HTC バイブ)Pro」です。
VRゴーグル部で、頭の向きをトラッキング。
両手にもつコントローラーで手の動きや位置をトラッキング。
2つあるベースステーションを部屋の端と端に設置することで、カラダの姿勢をトラッキングできます。
ユーザーの動きをそのまま、VR空間内のアバターにシンクロさせることができます。
HTC VIVE Cosmos
HTC VIVE Cosmos
¥80,000‐
上で紹介したHTC vive Pro、Oculus Riftに比べて、VR初心者向けともいえる「HTC VIVE Cosmos」ですが、優れている部分も多いのです。
まず、Oculus Rift S と同じようにベースステーションを必要とせず、VRゴーグルとコントローラーのみで、カラダの姿勢や動きがトラッキング可能です。
それと、他の2つと比べてディスプレイ解像度が高いということも魅力のひとつですね。
ただし、カラダの姿勢や動きのトラッキングは、VRゴーグルに付属しているカメラで行っているので、部屋が暗かったりすると使用できません。
また、手をカメラの映らない背後などに持っていくと、カメラが捉えられなくなり、検知されなくなるなどの問題もありますのでご注意ください。
VRChatをダウンロードしましょう!
PCとVR機器がそろったのなら、最後にあなたがなりたいものになれるVR世界への扉「VRChat」を入手しましょう。
ダウンロードは下のボタンからできます。
なりたいもの・・・そのものズバリ「アバター」を入手しましょう!
まず、ココまででVRChatをはじめるためのPC、VR機器、VRChatそのものと、枠組みの部分は揃いました。お引越しで言うならば引越し先のお部屋が見つかった・・・! ってところですかね。
さて、次はいよいよ核となる自分そのもの「アバター」を手に入れましょう。
もちろんVRChatのなかには最初から使えるデフォルトのアバターが多数存在しますが、今回の記事の目的は「なりたいものになる!」ことです。
そうなってくると、VRChat内で使用できる自分の分身ともいえるアバターの「容姿」は再重要課題となってきますよね。
そこで、選択される方法は2つあります。
・自分で3Dモデルデータを作成する
・他人の作ったデータ3Dモデルデータを使用する
どちらか2つのうち、ひとつを選ばない限り前には進めません。あなたはどちらを選びますか?
ちなみに、アバターの3Dモデルには以下のようなルールがあります。
データ形式 | FBX |
最大ポリゴン数 | 2万ポリゴン以下 |
データ形式についてはクリアするのが簡単ですが、問題はポリゴン数ですね。
ポリゴン数というのは、3Dモデルのグラフィックスのきめ細かさの数値だと思ってください。
例として、映画「シン・ゴジラ」のゴジラさんは1億1,000万ポリゴン。VTuberのキズナアイちゃんが8万ポリゴン、アニメ「けものフレンズ」のかばんちゃんが1万ポリゴンです。
2万ポリゴンに近い有名キャラクターは、ゲーム「メタルギア・ソリッド4」の主役ソリッド・スネーク(オールド・スネーク)さんが1万4,000ポリゴン。あくまでゲームプレイ中のポリゴン数で、ムービーシーンや販促用の画像に使われているものとは違いますのでご注意ください。
VRChatの上限は2万ポリゴンなので、これ以上のポリゴン数(きめ細かさ)が表現できるのであれば、ひとまず「なりたいものになる」はクリアできるのではないでしょうか?
2万ポリゴン以上の3Dモデリングデータは、FBX形式であったとしてもサーバーへの負荷が大きくなってしまうため、アップロード時に蹴られてしまいますので注意しましょう。
3Dモデリングを自分で作りましょう!
まずは他人に頼る前に自分でなんとかしてみたいものですよね。
必要なのは3Dモデリングを作るためのPC用アプリが必要なのですが、とてもありがたいアプリが登場してますので紹介しますね。
VRoid Studio
2Dに限らず3Dでのグラフィックアーティスト、デザイナー、漫画家、そして絵師さんたちの日本最大のコミュニティサイト「Pixiv(ピクシブ)」さんから配布されている3Dモデリングアプリ「VRoid Studio(Vロイド・スタジオ)」をオススメします。
最大の特徴は「無料」ということ!!
2番めの特徴は、たくさんのデザイナーや絵師さんからの意見を取り入れた、初心者でも使いやすいUI(ユーザー・インターフェース)
そして3番めの特徴は、利用しているユーザー数がたいへん多いため、ちょっとなにかわからなかったりしたら、Twitter等で気軽に質問ができることですね。
それどころか、ちょっと大きめな会社に勤めていたりするのであれば、すでに使用しているユーザーの人が社内にいる可能性もあります。それなら直接指導してもらえることだってできますよね。
それくらいポピュラーなアプリといってもよいでしょう。
他の人が作った3Dモデリングを利用させてもらいましょう!
とはいっても、これまで本格的に絵やイラストを描いたことのない人だと、自分でアプリを使って3Dモデルを作るのはかなり困難なこととなります。
毎日本気で練習を重ねていけば、半年くらいすればかなりのレベルの3Dモデルを作ることができますが、自分の中にある理想のものを作るとなると完成させられる可能性はかなり低いものとなってきます。
自分の想像するものをカタチにするというのは、たいへん難しいものです。それができる絵師さんたちは、まったくもってリスペクトに値します。
自分の理想とするものピッタリというわけにはいきませんが、ボール2個分ズレたストライクのものでも良いというのであれば、ネット上に大量に存在する他の人が配布用に作ってくれたデータを利用することも方法としてアリです。
参考としまして、下にそれらをまとめているとても親切なサイトのリンクを貼っておきますね。
けれども・・・あらためて「なりたいものになる」と考えたとき、上のような「ネット内で配布されているデータ」というのも、なかなか難しい選択ですよね。
自分で作るのもダメ・・・配布データもダメ・・・自分の理想とする「なりたいもの」の姿は、そんなものじゃない・・・となったとき、
それを解決する方法、それは・・・そう「お金(Money)」です!!
使用するアバターをお金でなんとかしましょう!
ネット上を探せば、3Dモデルデータを有料で作成してくれる会社や個人は多数見つかります。すでにこれらの職業がしっかりとしたビジネスになっている時代なんですね!
1体あたりの価格相場は以下のようになっています。
趣味orビジネス目的で活動している個人クリエイター | 5〜15万円 |
3Dモデリングを作成してくれるデザイン会社 | 10〜80万円 |
個人クリエイターさんの場合、製作期間が長期になりがちなことと、完成品への修正注文を簡単に受け付けてくれない可能性が高いなどのデメリットはありますが、趣味で行っていることが多いため安価で請け負ってくれる場合が多いです。一応相場として5万円からとしましたが、それ以下の人もゴロゴロいますよ!
まれに「この人って、もしかして聖人・・・?」と思えてしまうくらい、技術力が高いのにも関わらず安価で、いくらでも修正を聞いてくれる人もいますが、往々にして前者が多いので、安かろうの対価はそれくらいだということを理解して依頼したほうが良いですね。
デザイン会社の場合は完成までの期間が短いことと、納期をキチンと守ってくれることが大きなメリットです。
また、会社によっては営業担当の人と直接交渉ができて、しっかりと完成品に対してのユーザーからの意見を聞いてくれることも多いですね。
また、修正についても、全体的な雰囲気の変更や、細部の微調整などについても快く受けてくれる場合が多いので安心です。
ただし、いかんせん高額になりがちなのは確かですね。そのかわり払った対価に見合う仕事をしてくれるのも確かです。
こちらも、参考として以下にリンクを貼っておきますね。
オリジナルアバターを使用する際の注意
VRChatを始めるための機器やアプリ、そしてアバターがそろったなら、あとはもうVRChatの世界の扉をくぐるだけです。
が、VRChatの大きな特徴として「世界中の人が参加している」というものがあります。
なによりもまず優先して、チャット内でのルールを守ることと、他人に不快な思いをさせないコミュニケーションが必要となります。
これまではいくらアプリをダウンロードしても読まなかった「利用規約」を今回ばかりはマジメに読んだほうが身のためです。
VRChatの運営側としては、日本のVRChat人口など世界的にみても微々たるものなので、例えばあなたがルールを侵したとした場合、個人的なID剥奪や倍賞だけにとどまらず「国ごと」VRChatから追放されてしまう場合もあり得ますので、行動や言動には責任をもって参加しましょう。
版権物キャラクターでの行動には注意が必要
VRChatにオリジナルのアバターをアップロードする際に気をつけなくてはならないことがあります。
それは、あくまで現在は「無法地帯」となってしまっていますが、版権物のキャラクターをアバターで使用することは、あまり好ましく思われていないということです。
VRChat内に、版権物のキャラクターをアバターとして持ち込むことを取り締まるガイドラインは現在存在しません。そのためメジャーなものからドマイナーなものまで、版権物キャラクターはVRChat内に数多く存在します。
それら版権をもつキャラクターになりきったユーザーが、公序良俗をキチンと守り、正しいルールとマナーでVRChat内に存在するのであれば、ハロウィンやイベントでのコスプレのような仮装行為として「版権元も口をつぐむ」状態なのですが、いささかそれら版権ものキャラクターのアバターを使用しての、不適切な行動を行う人たちが目立ってしまっているという現状もあります。
あまりにも、そのキャラクターのもつキャラクター性に反した行動などをとってしまうと、VRChatからのID剥奪や、最悪、版権元からの賠償金請求がくる可能性もあり得ます。
男の人なら、憧れのコミックヒーローになってみたい! 女の人なら、ステキな物語のプリンセスになってみたい! と夢をもちますよね。
それを可能にさせてくれるのがVRChatの懐の深さではありますが、そのためにも守るべきルールを守ることが大事です。
是非ともVRの世界で、自分のなりたかった夢を叶えてみてください!
人間にはそれぞれ自分のなかにたくさんの人格が存在し、相対する相手によってその人格を変えています。
けれども、それらのほとんどは「他者が望む」自分になりがちで、本来の自分とは遠い存在だったりしますよね。
現代の人たちは、生活の中でそんな本来の自分に落ち着くため、化粧をしたりマスクをしたり、いわゆる「仮面」を被ろうとします。タバコを吸うときに口元を手で隠すなんてのもそうです。
皮肉なもので、本来の自分というものは本当の自分の姿ではオモテに出しにくいものなのです。
そのストレスが限界を超えてしまうと、人間は整形手術に走ったりするのですが、やっぱり親からもらった大事なカラダにメスを入れるのは気が引けますよね。失敗してブスになっちゃうこともあるらしいですし。
そんなストレスから気軽に開放してくれるのがVRChatです。
自分の好きな姿のアバターをまとい、本来あるべき自分の人格で誰かとコミュニケーションする。
身バレがいやなので詳しくは話しませんが、VRChat内でのワタシはたまに小さな男の子になってカワイイ女性キャラにちょっかいだしてますよw
ただ、そんな自由があふれているVRChatですが、勘違いしてはいけないことは「なりたいものになれる」場所ではありますが「やりたいことをやれる」場所ではないということです。
ひとりひとりが人として守らなければいけないことはキチンと守っていかないと、いつか国家レベルの問題として扱われ、一般市民がいくら動いてもどうにもならない対処を受けてしまうことになりかねません。
せっかく現代人の心のオアシスとして存在するVRChatの世界。みさんで大事に使っていきましょう!
※記事内にて表示された商品価格はおおよその平均価格です。セールや、アメリカドル・中国元などの為替相場の変動により価格は変動する場合があります。予めご了承くださいませ。