
いきなりですがクイズです!!
南アフリカ出身。南アフリカ人の父とカナダ人の母をもち、17歳のとき徴兵を逃れるためアメリカへ移住。ペンシルベニア大学に入学し、人類の発展に必要なのは「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」だと考えた人物とは・・・?
ヒントとして、アニメ「シンプソンズ」に本人役で声の出演をし、映画アイアンマンにも出演しています。
さて、誰でしょう?
タイトルにもあるので答えはカンタンだと思いますが、正解は「イーロン・マスク」
自動車会社テスラ、宇宙関連事業会社スペースXのCEO、そして電子決済サービスPayPalの創業者です。
イーロンだけにいろいろやってますね・・・
テクノロジカル・シンギュラリティが起こる2045年に向けて、その地盤としての科学技術をいくつも研究開発、そして実用化してきたイーロン・マスクさんが、これまでSFの世界でしか見ることのできなかった未来テクノロジーの実現に向け、大きな一歩を踏み出しました。
動画でも公開中
この記事と同内容の動画をYouTubeで公開しています。
9分ほどの短い動画ですので、お気軽にご覧下さいませ♪
NeuraLinkの「脳インターフェースチップ」
イーロン・マスクさんが作り上げた新たなテクノロジー「脳インターフェース」
大きさにして100円玉ほどのチップを脳につなぎ、コンピューターと脳を繋ぐというもの。
頭蓋骨に埋め込んだチップは、脳神経の動きをコンピューターに伝達し、それによりスマホやさまざまなデバイスを操作したり、また思考や記憶、感情をモニタリングします。
2020年8月29日、イーロン・マスクさんが所有するスタートアップ企業「 ニューラリンク 」は、子豚ちゃんを使って、脳インターフェイスチップの臨床実験をYouTubeでライブ配信しました。
動画ではチップから出た、毛よりも細いワイヤが子豚ちゃんの脳に接続されている映像や、脳から発せられる信号を、コンピューターが受信している様子が映し出され、終始イーロン・マスク本人が、その内容について解説をしていました。
ぶっちゃけ子豚ちゃんがちょーかわいいので必見ですw
先日、2025年開催の大阪万博のロゴが発表されて、物議を醸してましたが、もしかしたら万博ではこのチップの完成品のデモンストレーションが見られたりするかもしれませんね。
脳インターフェースが作られた理由とは?
さて、この脳インターフェイスですが、いったいどのような理由で作られたのでしょう?
イーロン・マスクさんは以前から
人間は今に人工知能・AIに追い越され「飼い猫」のようなペット同然の存在になるだろう。
そうした事態を避けるには、脳とコンピューターを融合させる「ニューラル・レース」と呼ばれる技術が不可欠だ。
Elon Musk
と主張してきました。
この言葉を鵜呑みといいますか、出てくるきわどい単語に意識をもっていかれると、さも暗い未来が待っているかのように思われます。
が、この言葉の真意は「科学技術の発展に伴い、人間の進化も不可欠」ということです。
置き換えて言うならば、今回の新型コロナによる世界的な環境の変化に伴い、人間は外出時に必ずマスクをするという対応を行いました。
AIの発展に伴い、人間が脳にチップを埋めるようになることは、これくらいのレベルのことだと思ってもらえれば良いと思います。
イーロン・マスクのいささか刺激的な言葉は、あくまで彼が経営者として、マスメディアの注目を集めるための言葉選びといったところでしょう。
脳インターフェースの活用方法
現段階で、脳インターフェイスの活用法は、カラダの一部がマヒしている人々に運動能力、そして目の不自由な人に視力を戻す技術として用いられる予定です。
その次の段階として、いわゆるテレパシー的な人間と人間のあいだでのデバイスや言語を用いない情報交換ですとか、記憶の外部デバイスへのアップロードなどがあります。
そうなると、記憶というのが忘れ去られることなくアーカイブとして残されていくということですね。
視覚情報も記録されていくのであれば、人間の目そのものがスマホカメラと同じ役割を果たすということになりますよね。

以前の記事で「ポスト・ヒューマン」いわゆる次世代の人類についての回で、人体にチップを埋め込み、人間がリアルな世界にいながらもオンライン上に存在するという話しをしました。
この脳インターフェイスが本格的に実用された社会が、どのようなものになるかというと。
それは、人類全体がお互いにお互いを共有し合う世界といったところでしょうか。
すべての人間同士とはならないでしょうが、現在でもひとつのサーバーやひとつのファイルを複数の人間が共有したりできるように、複数人がお互いの脳を共有し、それぞれが見たり聞いたりしているもの、そして思考や記憶を共有できるようになります。
精神的に落ち込んでいても、友達のダレかのハイテンションな感情を共有して、気持ちを高揚できる・・・なんて時代がくるかもしれませんね。
脳インターフェースの原理
直近で行われようとしているパーキンソン病などにより、身体の一部がマヒ状態になっている患者に対しての、脳インターフェースによる介助的な使用方法とはどのようなものなのでしょうか?
脳インターフェースは、脳から発せられる電子信号を受信し、コンピューター上でモニターできます。
人間に限らず動物は「右手を前に出す」と考え、行動するときに脳から信号を発します。
その信号は「右手を前に出す」と「右手を後ろに出す」では差があり、もちろん「左手を前に出す」とも違います。
それらの信号を区別し、義手や義足といった補助器具や、外部からの電気治療具などによる刺激により、マヒしている部位に正しい動きを与えようというのが、この計画の内容です。
また、脳インターフェースにより、失明している障害者へ「視力を回復させる」ということも考えられています。
これは、先ほどとは逆に、カメラで映し出された目の前の景色を、脳インターフェースを介して脳に送ることで、眼球以外からの視覚情報で脳に「見えている」ようにさせるというものです。
この技術については、なにも盲目の人に限らず、技術が発展すれば弱視の人もクリアで鮮明な景色が見られるようになります。
もう、メガネやコンタクトレンズがいらない時代が来ようとしているのです。

さらに先にある、脳インターフェースを使ったテクノロジーとして。
例えば、映画。
これまで映画は、目で見て耳で聴いてという物理的な動作を120分の時間行わなければ楽しめないものでしたが、脳インターフェイスを使って映画を脳にダウンロードすれば・・・
ダウンロードし終わった時点で、映画を観たことと同じになります。
同じように小説やマンガにしろ、データを脳にダウンロードすれば読み終わったのと同じことになるわけですから、もしかしたら世界中の人間全員が、これまで人類が作り上げてきた書物や映画などを全て「観終わった」状態になれるかもしれませんね。
これらを「人間らしくない」と判断してしまうかもしれませんが、映画館に行かなければ見られなかった映画が、テレビでの放映や、DVDの普及で家庭で観られるようになったり、更にはベッドの中やお風呂場でも、オンデマンドでスマホで観ることができるようになった現代。
「人間らしくない」といって、映画館でしか絶対に映画を観ないという人は皆無だと思います。
便利になれば、その方向に流れていく方が人間らしいのだと思いませんか?
イーロン・マスクさんの研究する脳インターフェイス。これからも進捗がありましたら動画でお伝えしたいと思います。
未来は楽しいこと いっぱいだからね
