2020東京オリンピック・パラリンピックはAI・人工知能の見本市「芸術点など競技判定への導入も」

2020年に日本の首都である東京で開かれる「2020東京オリンピック・パラリンピック」

みなさん、もうチケットの購入予約は完了してますか?

わたしは全部落選しちゃったので、マラソンだけ街頭で応援しようかなーって考えてます。

56年ぶりに開催される東京でのオリンピック・パラリンピック。

「今回で2度めだよ〜」っていうおじいちゃんや、おばあちゃんもいらっしゃいますよね。

前回の開催から56年の年月で、テクノロジーは大きく進化しオリンピック・パラリンピックにも深く関わってきます。

今回は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場や、周辺施設で活躍する予定のAI・人工知能をいくつかご紹介します。

競技に使用されるAI・人工知能

現在、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、競技の判定にAI・人工知能を導入する計画が立てられています。

現在確定しているのは、体操競技やシンクロナイズドスイミングなどのような「芸術点」を競う競技10種目に、AIを使用した採点支援システムが用いられること。

芸術点が用いられるフィギュアスケートもそうですが、芸術点の採点には時としてバラつきがあったり、審判がえこひいきしてるんじゃないの? と、思ってしまうような結果が出ることもたびたびありますよね。

AIによって、全ての選手が均一な基準で採点されるのなら、それが一番選手にとっても見守るファンにとってもありがたいことです。さらには審判にとっても負担が減るわけで、良いことずくめですね。

オリンピック・パラリンピックに先立って、2019年10月にドイツで開催される「第49回世界体操競技選手権大会」にて試験的に導入され、調整を繰り返しながら2020年の東京オリンピック・パラリンピックにて活用される予定になっています。

なお、正式な活用方法についてはまだ未定ですが、体操競技などの採点をおこなう審査員が採点をする段階で、AIが判定した採点結果を参考として見るといったカタチになると思われます。

富士通がシステムを開発

AI・人工知能による芸術点の採点支援システムを開発したのは、日本国内でITサービス提供での売上高第1位となる「富士通」

富士通は体操や新体操競技を統括する「国際団体の国際体操連盟(略称:FIG)」と共同で、採点支援システムを開発しました。

採点支援システムは、3Dセンサーが360°あらゆる角度から演技中の選手の動きをとらえ、体の動きや技のタイミングを数値化していきます。

近年、技の難易度も上がり審判が目視だけでは判断しづらいことも多いです。それを補うためにスローで録画されたVTRを観直したりすることもあるのですが、正直なところ時間的な効率が悪いです。前の選手の採点結果が出るのがあまりにも遅くて演技が始められず、せっかくテンションを上げていた選手がクールダウンしてしまっている・・・なんてこともありますからね。

また、このシステムは採点支援だけでなく、トレーニングの際の選手の体の動かし方のサポートを行うことも可能ですし、さらには選手の体の中の骨格がどのような動きをしているのかを可視化することも可能と、エンターテイメント的な使い方もできるシステムです。

本格的な競技への採用が期待されますね。

バレーボール選手の指導に用いられるAI

オリンピック・パラリンピックを目指す選手の育成にも、AI・人工知能が活用され始めています。

人間の目やデータ解析だけでは見落としがちなポイントも、しっかりと分析要素に入れ正確な解析をおこなえるAIであれば、選手に対して無理なトレーニングメニューを強制したりはしないでしょう。

根性論も必要ですが、物事はなにごともシンプルにすることが一番。

東京オリンピック・パラリンピックに向けて、選手に対しての指導にAIを活用したソフトを開発するベンチャー企業を紹介します。

LIGHTzの目指す直感を見えるカタチにするAI

茨城県のベンチャー企業「LIGHTz(ライツ)」が開発中のAI・人工知能は、元バレーボール日本代表の杉山祥子さん監修のもと、筑波大女子バレー部の監督さんの協力により作られています。

ライツの作るAIがおこなうことは、バレーボールの試合のシミュレート。

選手ごとの身体能力やメンタル、さらには各選手が試合中にどれだけの早さで相手の選手の特徴を掴んだり、クセを見抜いたり、またスパイクのコースに慣れるまでの回数などを細かく数値化して6人vs6人の選手モデルが作成されます。

AIにより合計12人の選手モデルは自律的にバレーボールの試合を行っていきます。

これを何万回も行うことで、チームごとにおける勝ち方の共通点や弱点が浮かび上がり、それを通常の練習やトレーニング、そして試合中の選手配置の変更などに活かそうというわけです。

これに近い方法は、プロ棋士と対戦する将棋用のAIなどにも用いられていて「試合」という形式のなかにおいて、自分の特徴や相手の特徴を明確にするのにはたいへん効率的な活用方法です。

特に、プロ・アスリート選手や代表クラスのメンバーの方たちが、何百という試合のなかでの経験や、何万回もの反復練習により作り出された「動作の裏にある背景」というものは本人でも周りのコーチたちにもわからないもの。

AIであれば、その動きの理由についても解析が可能で、その理由が明確になり次の世代に伝えることができれば、選手育成はさらに成果をあげられるものとなるでしょう。

是非ともバレーボールの日本代表選手チームにAIシステムが採用され、メダルの獲得へと導いてほしいものです。

海外からの観戦客に対しても活躍

オリンピック・パラリンピックが開催されるともなると、たくさんの海外からの観戦客が東京に集まってきます。

彼らを気持ちよくお出迎えするのにも、AI・人工知能は活躍します。

なにせ日本は「おもてなし」の国。AIだって外人さんをしっかりおもてなししてくれます。

オリンピック・パラリンピックに向けて、大会組織委員会、東京都、国、民間企業の実務担当者たちはビジョンとして、

「史上、最もイノベーティブ(革新的)な大会にする」

というスローガンを掲げています。

その言葉のもと、どのようなカタチでAIたちは外国人観戦客をお迎えするのでしょう?

富士通の「ロボピン」

台湾のコンビニエンスストア「ファミリーマート」でも、お客様の案内用AIロボットとして採用されている富士通の「ロボピン」

すでに国外民間企業が採用し実績も折り紙つきな、このかわいらしいコミュニケーションロボットは、新宿にある東京都庁内に設置され海外観光客・観戦客をお出迎えします。

首・腕・胴体の根元部分にモーターを配置したロボピンは、小さなカラダをダイナミックに動かし、コミュニケーションをとります。

顔の部分のLEDは変色し、感情の表現も行えます。

ロボピンは音声でのコミュニケーションが可能で、さらには日本語だけでなく英語と中国語にも対応しており、海外からのお客様に対してはお手のもの。

富士通が1980年台から研究・開発を続けていた音声認識AI「FUJITSU Software Live Talk」が活用されています。

羽田空港で活躍するAIロボットたち

お出迎えといえばなによりも東京の玄関口となる「羽田空港」

さすがにここは、オリンピック・パラリンピック観戦客を対応するコミュニケーションAIや案内ロボット、そして警備や清掃ロボットにとっては花形となる場所。

2017年から羽田空港では合計50種類以上にもおよぶ、これらのAIシステムやAI搭載ロボットの実証実験が行われています。

この実証実験で大きな成果を上げているのが、茨城県にあるロボティクス事業に取り組む会社「ユニキャスト」

2014年にソフトバンクから発売されたことで有名となった家庭向け人型ロボット「Pepper(ペッパー)」くん。

かわいらしいペッパーくんをユニキャストは「接客ガイドfor Pepper」としてカスタマイズ。さまざまなシーンでの利用ができるようにしました。

英語・中国語での音声会話にも対応できるペッパーくんは、羽田空港ロビー内での観光案内ガイドとして活躍。とても高い評価を得ました。

ロボットの利点として、人間と違い24時間365日稼働ができることがあげられます。

空港にしろ、道の駅にしろ、サービスエリアにしろ、観光案内のロビーにてこんな思いをしたことはないでしょうか?

たとえばひとつめに、到着したのが深夜でロビーに案内係の人がおらず途方に暮れてしまった。とか、もうひとつ、案内の人はいたけど実は新人さんであまり情報を知っておらず役に立たなかった、とか。

このような人間ではカバーしきれないケースを、ペッパーくんをはじめとしたコミュニケーションAIロボットたちは補ってくれます。

特に海外からの観戦客のみなさまは、時刻の時間に合わせて出国をしてくるので、深夜に空港に到着するなんてことはあたりまえ。とはいえ深夜などの人間での現場配置が難しい時間帯などにおいては、おおいにロボットたちが活躍してくれそうです。

2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、大小関係なくさまざまな企業やメーカーが、AI・人工知能を用いた新技術の研究・開発に取り組んでいますね。

オリンピック選手に対してのAIを活用したトレーニングは、もっと積極的に採用していってほしいですね。アメリカではプロ野球メジャーリーグのチームがスターティングメンバーの決定にAIを活用し、実際に成績を向上させていたりとスポーツとAIの相性は、実はとても良いのです。

まだまだ紹介しきれない部分が多いので、今後もこのカテゴリーに関しては記事を増やしていきたいと思います。よかったらときおり関連記事などもチェックしてみてくださいね。

今回の記事を作っていて驚いたのは、コミュニケーションAIロボットの「Pepper(ペッパー)」くんが、現在もバージョンアップを繰り返して家庭向け・ビジネス向けそれぞれに販売されていること。

最初のバージョンから4年以上経過し、かなり優秀なAIとなっていることでしょう。その最新版と触れ合えることをたのしみにしています。